雑餉隈駅は、福岡市博多区麦野にある西日本鉄道天神大牟田線の駅です。福岡市の最南端にある駅であり、西鉄で唯一博多区に所在する駅です。歴史は、1924年に雑餉隈駅として開業したことがルーツですが、雑餉隈駅の開業前から国鉄鹿児島本線にも雑餉隈駅(現:南福岡駅)が存在していました。両駅の間は800mほど離れており、差別化を図るため、1935年に九鉄雑餉隈駅に改称しました。その後、1942年に九州鉄道が九州電気軌道に吸収合併され、西日本鉄道と社名を変更した際に西鉄雑餉隈駅に改称しました。そして、1966年に国鉄鹿児島本線の雑餉隈駅が南福岡駅に改称したことを受け、1971年に開業時の駅名である雑餉隈駅に改称しました。結果として、現在の駅名に至るまで3度の駅名改称を実施することになりました。2015年度の1日平均乗降人員は14,885人で年々増加傾向です。雑餉隈の地名の由来は、貝原益軒編纂の『筑前国続風土記』によると、その昔大宰府へ向かう人々を主な対象とした多くの店が連なっていた場所であったことと、大宰府の官人の雑掌居があったことによる説の可能性があります。また同書によれば、同書の編纂期における雑餉隈は、那珂郡井相田村(現福岡市博多区井相田)に属する村と山田村(現大野城市山田)に属する村とで、西と東の二村に分かれていました。